4歳からピアノを始めて、音楽大学で学び、その後自宅や某大手教室でも講師として今も現役。講師歴20年以上のベテランがピアノに関してのいろいろにお答えします。
今回は「我が子にピアノを習わせているけれど、全然練習しない」「ちっとも上達しないのにレッスンに通わせるのはお月謝がもったいない気がしちゃう」
そう感じていらっしゃる保護者様へ向けて講師としての考えを述べさせていただきます。
私自身も子供を持つ親でもあるので、そのお気持ちは十二分に理解できますよ。
これからこの記事で書いているように、続ける価値のないレッスンもあります。でも、子供が練習しないからと言って簡単に辞めさせてしまうのは、その子の成長にとって、もったいないことになってしまうかもしれません。
弾かないことに子供なりの意味がある事もあるのです。
子供がピアノの練習をする魔法の言葉も教えます。最後まで是非お読み下さい。
子供はなぜ練習をしないのか

まず、お子様がピアノを習い始めた時の状況はいかがでしたか?
- 親が「やってみない?」と勧めた
- 子供が自ら「やりたい!」と言った
大きく分けるとこの2つに分かれると思います。
ピアノは幼少期の子供にとって、とても有意義な習い事です。その効果は数々あって脳科学でも証明されています。東大生の2人に1人が幼少期にピアノを習っていたとも言われています。ピアノは人気の習い事のひとつです。
習い始めた時は頑張って練習をしていたお子さんでも、成長して自分の意志で発言したり行動できるようになってくると練習しなくなることもあります。大人でも嫌なことはできればやりたくありませんよね。
子供は我慢しません。悲しいですが、やりたくないものはやりません。
もしかしたら練習しなくなったのには子供ながらに理由があるのかもしれません。頭ごなしに練習しないことを怒らないで、お子さんと向き合ってきちんと話を聞いてあげるのが良いと思います。
ところで、今まで一緒にピアノをやってきた中で、こんな子供たちがいました。
Mちゃんの場合 「先生の言葉」
Mちゃんは小学校4年生から習いに来てくれるようになりました。「今までレッスンには通ったことがない」という事でしたが体験レッスンで最初に聴かせてもらった時から、ある程度弾けていてビックリしました。
聞いてみると、お母様がこんな話をして下さいました。
Mちゃんのお母様はピアノが弾ける方で、Mちゃんも幼稚園生の時から、お母様の手ほどきでピアノを弾いていたそうです。知っている歌をピアノを弾きながら歌ったりと、毎日ピアノを弾いていたそうです。
小学生になって、「もっと上手に弾けるようになりたい」とMちゃんが言い出したのでお母様は先生を探してMちゃんは音楽教室へ通い始めることになりました。
やる気満々のMちゃん、期待に胸を膨らませて初めて行ったレッスンで、先生に「手の形がダメ」と言われ、ほとんど弾かせてもらえずに手の形や指先の立たせ方ばかり注意をされてしまったとのこと。
それからMちゃんは全くピアノを弾かなくなってしまったそう。でも、もともと音楽が好きだったんですね。だんだんとまた弾きたくなってきて今度は私の教室に来てくれたというわけです。
ひどい話です。確かに、私なんかがピアノを始めた約半世紀前には、物差しで手首をピシッと打つ先生はほんとにいたんですよ。私も手首や肩を何度もピシッとやられました。
でも、この時代そんな先生はもう死滅したかと思っていましたが・・・・ピアノの教室って特に個人は密室なので先生と相性が悪かったらもう最悪ですよね。
どんな小さい子相手だからといって理由も言わずにダメな点ばかりを指摘する先生、もし今あなたのお子様がそんな先生に苦しめられているなら即効辞めて他の先生を探してください。
Mちゃんのように、先生の「何気ない一言」で一気にやる気をなくす子は多いと思います。
安心してください。Mちゃんは今では大学1年生ですが趣味でずっと弾いています。バンドもやっています。
少年S君の場合 「弾くことじゃなくて聴くことを頑張ってる」
こんなケースもありました。S君が最初に私の教室に来てピアノを始めたのは小学校2年生の時でした。
とても無口な少年で、何を話しかけてもほとんど返事もなく、そして練習もほとんどして来ない子でした。毎回毎回同じことの繰り返しで「来てもらっている意味があるかしら?」とこちらが思ってしまう状況でした。
S君のお父様は男の子なんだし「そんな状態なら辞めてしまえ」という考えの方でした。S君が4年生になったある日そう本人に伝えたところS君が驚きの言葉を言ったのです。
「僕は今は手がまだ上手く動かないから、先生のピアノをよく聴いて、弾き方をよく見ることを頑張っているんだ」
なんでS君、それを私にも言ってくれなかったんだろ。そんな風に思っていたことに全く気付いてあげられませんでした!きっと私の方が練習してこないS君にイライラしてしまっていたのかもしれません。ものすごく反省しました。
その言葉通り、小学校5年生になって体も大きくなったS君 突然目覚めました。あまりに長時間S君が練習するので、おうちの方がうるさがってヘッドフォンで練習させるように電子ピアノを買って下さるほどに。
現在高校生のS君は国立大学を目指して勉強もしつつ、大好きなクラシックをバリバリ弾いています。


コメント